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営業革新の急所

◆第94号◆「できなかったことができるようになるとき 」 ~「営業革新の急所」 ナマの営業の知恵をお届けします~

2013年 02月 27日

こんにちは。
第94号の営業革新の急所です。

■ 新入社員研修の演習で目的にしたこと

先週、京都のある企業様で、新入社員研修を行いました。

この新入社員研修は5日間のカリキュラムを組みました。
1日毎の概要を以下に記しましょう。

 □1日目:社会人としての基礎、会社に必要とされる人財の条件
 □2日目:ホウレンソウ、社会人としてのマナー
 □3日目:営業5つの心構え、街中で見知らぬ人の心を開く1
 □4日目:営業の基本スキル、街中で見知らぬ人の心を開く2
 □5日目:会社の儲けとお金の仕組み

通常の新入社員研修と違う点はどこか?と聞かれれば、
それは当然いたるところで差別化を図っています(笑)。
とはいえ、一番違うのは赤字で書いた部分でしょう。
そこをわかりやすく5W1Hで説明するとこんな感じです。

■When : 研修3日目と4日目の午後1時間に
■Where : 京都の街中(阪急線の西院駅周辺)で
■Who : 研修生11人が
■What : 街行く見知らぬ人の苗字かイニシャル、
趣味や今日どこに行くつもりなのか、
出身地、家族構成、最近楽しかったことなどを
■Why : 研修のある目的のために(後述)
■How : あれこれ聞き出して記録する

聞き出した内容のメモは、あとで私が見て合否判定します。
もちろん聞き出しが浅い場合は、成功にカウントしません。
だいたい5分以上話し込まないと聞き出せないような情報量を、
演習課題にしています。

この演習の目的は、2つあります。
第一に

 「見知らぬ人に心を開いてもらうために、
  どう関わっていけば良いか体験してもらうこと」

です。
第二に・・・・それは最後に書きましょう。


■ 演習第1回目!・・・そして挫折

まずこの演習第1回目です。

第1回目に際しては、できるだけ失礼にならないよう、
最低限のマナーは教えてありますが、
聞き出しの確率を高くするテクニックは教えていません。
自分たちで準備し、考えさせてから演習を開始しました。

なので予想していたことですが、冷たく追い払われたり、
中にはキャッチセールスと間違われたりしていたようです。

 「すみません、ちょっとお時間よろしいですか?・・・」
 『なんですか?』
 「ちょっとお話をしたくて・・・」
 『はぁ?けっこうです!』

実際こんなトークを使った新入社員もいたようです。

研修会場に帰ってきてカウントしてみると、
聞き出し3件が最高で、平均すると2件以下でした。
しかも、70歳以上の優しいご老人の方中心に聞き出したり、
聞き出した内容そのものが浅かったので、大負けに負けてこの結果です。

帰ってきた8割がたの新入社員たちは、疲れ果てているように見えました。
それは1時間歩き続けたことよりも、
相手に無視されたことによる自己喪失感が原因でしょう。

そこで次の第2回目の目標設定を伝えました。

 「今日は緩い基準でカウントしても、最高3件の聞き出しでした。
  全員の平均では2件を切っているでしょう。
  そこで明日は・・・全員5件の目標にしたいと思います!」

目を剥いて私を睨んだ人、力なくため息をついた人、
無言で同期と目を見合わせる人、いろいろな人がいました(笑)。



■ 演習第2回目!・・・そして

さて、次の日研修4日目となり、午後には演習第2回目です。
ですが今回は、午前中戦術やスキルを教えました。
見知らぬ相手の心の開き方や情報の引き出し方を、
研修でおなじみのロープレにより、ある程度身につけさせたのです。

加えて、第1回目にご高齢の方に声をかけて成功した例があったので、
第2回目に声をかけるのは“見た目60歳以下の社会人”とし、
聞き出しの深さもより厳しく設定しました。

午後西院の街にまた出かけて、
「必ず全員目標達成してこい!」と発破をかけて送り出しました。



結果は・・・・全員達成です。
それも軽く、という感じで。

演習している最中は、研修に同席いただいていた役員の方も私も、
西院駅の周辺をうろうろして見守っています。
すると、前日には声をかけても立ち止まってもくれないシーンばかり
だったのに、今回はいたるところで立ち止まって話し込んでいました。

開始10分で、こりゃ5件の目標は簡単すぎたかな、と思ったものです。

演習をしている本人たちの表情も、明るく、楽しそうに見えます。
見るからに足取りも軽く、一人聞き終えたら次、またその次、と
目標達成に向け時間を有効に使っていました。

実際会場に帰る途中も、「昨日とぜんぜん反応が違う!」とか
「今日は優しい人ばかりだったよ!でも自分が変わったから反応も
よくなったんだよね」と明るい声と表情で話していました。



■ この演習の第二の、そしてホントの目的

社会に出れば、喜びだけでなく、様々な障害が待ち受けています。
誰しも必ず、それまでの自分では乗り越えられない壁にぶつかります。
そして、そのときにどういう行動に出るのかで、彼ら彼女らの社会人
としての価値、或いは成長するかどうかが決まる、とも言えます。

今回の演習の第二の・・・というかホントの目的を

 「立ちふさがった壁を破ったときの喜びを感じてもらうこと」

に置いていました。

人は今までできなかったことができるようになったとき、
皆等しく、例外なく、大きな喜びを得るものです。
私のような仕事をしていると、そういう人をたくさん間近に見てきました。
そしてそんな経験が、その人が壁にぶつかったとき、
乗り越えようと努力できる強い社会人を作ると思うのです。


私は4日目までの担当なので最後は同席していなかったのですが、
11名の新入社員の何名かは、研修終了後の発表で泣いていたそうです。
後ろで見ていた先方の役員の方やジェイックの営業担当も、
思わずもらい泣きしそうになったほどだそうです。
(私は同席しなくてよかったです。最近涙腺弱いので)

後日研修生の一人からもらったメールにはこう書いてありました。

  「つらい」と思った時もありましたが、
  先生の力強い言葉に押され、
  だんだんと変わっていく自分に喜びを感じました。

人は前進し成長することに喜びを感じるのです。
そして彼ら彼女らには、再びその喜びを得ようと、
更に努力を重ねるようになってほしいものです。

そう、できなかったことができるようになたとき、
人は喜びを感じ、動機づくのです。

厳しくしても怒鳴ってもいいから、そこに導くために部下に接する。
私のような職業の者は当然ですが、
部下を持つ全ての上司の方はキモに命じるべきですよね。





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(文責:株式会社ジェイック 実戦型営業コンサルタント 林 丈司)


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