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◆第140号◆ハウスメーカー営業マンSさんの人間不信 ~「営業革新の急所」 ナマの営業の知恵をお届けします~

2016年10月21日

◆第140号◆ ハウスメーカー営業マンSさんの人間不信 ~「営業革新の急所」 ナマの営業の知恵をお届けします~

こんにちは。
第140号の営業革新の急所です。

今日テーマにあげるのも、あるハウスメーカーに
1年前に入社したばかりの女性営業マン、Sさんのお話です。

■ Sさんの喜び

彼女から聞いた話をまとめると、以下の様になります。

ある週末、お客様が展示場に来場し、彼女が案内を担当しました。
まだ商品知識も不足しがちなSさんでしたが、
そのお客様夫婦とは波長が合ったということもあり、
案内は終始笑顔で順調に進んだようです。

お客様にしてみれば、拙いものの一生懸命説明するSさんに
心を開いたのでしょう、最後にはプラン作成を依頼してくださいました。
もちろん計画地もお持ちのお客様なので、
今後の営業がうまくいけば成約できるかもしれません。

Sさんは上司に相談し、設計担当と入念に打ち合わせして、
練ったプランを作成してもらいました。
設計担当者と同行してのプレゼンを行い、以降も丁寧にフォローし、
お客様の気持ちはどんどんこちらに傾いているように思えたそうです。

その過程でSさんは、このお客様との間で気持ちが
通じていることを実感していました。

女性は一般的に、人(お客様)と心が通じる、良い人間関係を作る、
感謝される、といったことにやりがいや幸せ感を持つ人が多いようです。
Sさんもそうだったのでしょう、
このお客様に信頼いただいたことがうれしくて仕方ありません。

しかし、ある出来事があり、Sさんはこのお客様から嫌われてしまいます。


■ Sさんのショックと悲しみ

話はとんとん拍子に進み、いよいよ契約、という段になり、
契約書のひな型をお渡ししました。
お客様は、念のため、契約書の内容を知り合いの
ファイナンシャルプランナー(以下FP)に相談したい、ということだったのです。

数日後、お客様から以下のような内容のメールをいただきました。

  「知り合いのFPによれば、『この契約書の○○の部分が違法だ。
  このような契約書で契約してくれ、とはおかしい』ということだが、
  どういうことですか?」

即上司に相談し法務部でも検討してもらうと、どうもそのFPの主張は、
彼が経験している建売住宅の面から見た偏った意見であり、
請負建築の面からは適法である、という結論を得たそうです。
つまり知り合いのFPの方の間違いだったのです。

そこでSさんは、FPの方が言っていることは間違いである旨とその理由を
丁寧に書いて返信しました。
しかし、そのメールがお客様を怒らせてしまったのです。
ひょっとしたらその文章に、FPの方を批判するニュアンスを
持たせてしまったのかもしれません。

  「あなたに私の知り合いのことをとやかく言われたくない。
  非常に不快だ。
  もう二度と連絡しないでほしい。」


Sさんは大きなショックを受けました。

そのお客様とは心から仲良くなれたと思ったのに、
ご夫婦ともあんなに笑顔で色々なお話をしてくれたのに、
きっと素敵な家を建てて喜んでくれると思ったのに、
「もう二度と連絡しないでほしい」なんて・・・。

その話を私にしているときも、既に涙ぐんでいます。

  「もう私は人間不信になりそうです」
  「もう営業を続ける自信もありません」

既にSさんのトラウマになっているのでしょう。
かわいそうでしたが、私にはどうにもなりません。

さて皆さん、この話から何を感じますか?


■ 原因はどこに?

例えば上司の指示が甘いとか、そんな大事なことはメールではなく直に
訪問して丁寧に説明すべきだとか、後から言えることはたくさんあるでしょう。
実際、その話を聞いたときの私は、そのように彼女に言ったのを覚えています。

しかし、事の本質はそこではないと思うのです。

この問題の根本的な原因は、厳しいようですが

   Sさんが自己中心的だった

ということなのです。
自己中心的というのが言いすぎなら、お客様の立場に立っていない、
と言い換えます。

彼女はお客様と仲良くなれたことに有頂天で、
人間関係ができたからこの仕事はうまくいくはずだ、と思い込んでいた様です。

しかし、お客様にしてみれば、一生に一度の買い物です。
建物だけで3000万円、土地も入れればもっと多額の買い物をすることに
なるのです。
返済は35年、途中で病気になったり仕事がうまくいかなくなれば、
せっかく購入したマイホームを手放すことになるかもしれません。

建築業はクレーム産業といいます。
ネットで検索すれば、建築で泣いている人がたくさんたくさんいます。
例えその全てが事実ではないとしても、
また中には、たちの悪いクレーマーや単なるうわさ話が含まれていたとしても、
数千万円の買い物をするお客さまにしてみれば、
気にならないわけはありません。

マイホームを建てて失敗も後悔もしたくない。
お客様はそう考えて、慎重にも慎重を重ねて、検討を進めていたはずです。

しかし、Sさんは

  「プラン提案だけでなく、すごく良い人間関係ができたから
  必ず契約いただけるはずだ」

という安易な考え方を持ってしまった様です。
厳しいようですが、これでは自己中心的、お客様の立場を無視している、
という以外の表現が思い当りません。


営業マンは、もっとお客様に感情移入しなければいけません。
お客様が何を考えているか、
どう感じているか、
何を心配しその気持ちはどう揺れ動くのか・・・。
お客様の立場に立ってそこに思いを馳せれば、
自然とお客様に対する接し方も変わってくるはずです。

気が合って楽しく会話できたとしても、
営業マンよりも知り合いの方を信用するのは当たり前です。
その知り合いから契約書の問題を指摘され、
今まで信じてきたハウスメーカーと営業マンに不信感を抱きます。
家族のためにも決して騙されてはならない、と。

そう思ったお客様の心情を慮れば、
人間関係ができたから契約いただけるはずだとか、
安易に「知り合いの方は間違っています」などとは決して言えないはずです。


しかしこれは、まだ若いSさんだから陥っている問題ではありません。
同じような考え方を持っている営業マンがたくさんいることを、
私は知っています。
現在問題が表面化していないとしても、
たまたまSさんのような状況に当たっていないだけかもしれません。

こういった考え方は顧客志向に反する考え方であり、
業績があがらない原因の一つになり得ます。
よって、早急にマインド教育が必要でしょう。

また、Sさんがこれらの点に気付けば、
彼女が抱えている人間不信も取り除けるはずです。
相手が悪いのではなく自分の考え方に問題があったのだ、
と思えれば、大人の人間として成長できるでしょう。

残念ながらこの会社は研修先ではないので、もうSさんとお話はできません。
Sさん個人はすごく良い子なので、どうか頑張ってほしいと思います。




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(文責:株式会社ジェイック 実戦型営業コンサルタント 林 丈司)


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