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営業革新の急所

◆第19号◆ 【現場を見るべし!】 ~「営業革新の急所」 ナマの営業の知恵をお届けします~

2012年 06月 29日

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三月のある晴れた日、森の中で自殺と思われる死体が発見された。
ベテラン刑事と若手刑事が、再度現場に足を運んだときの会話。

ベテラン刑事「やはりこれは・・・コロシ・・・だな。」
  若手刑事「えっ!?」
ベテラン刑事「他殺だ、と言ったんだ」
  若手刑事「し、しかし、死体を発見したときの状況は・・・」
ベテラン刑事「あの杉の木の枝に登山用のロープが結んであって、そこに
       ホトケがぶらさがっていたんだよな」
  若手刑事「そ、そうです。で、その下には簡易ハシゴが転がっていた。
       すぐそこの道路には、ホトケ所有の車が停まっていて、遺書が
       置いてあった・・・。死亡推定時刻は、三月十日正午前後です。」
ベテラン刑事「どこにもコロシを裏付けるものはない・・・か?」
  若手刑事「え、ええ・・・」
ベテラン刑事「検視の結果、ホトケはひどい皮膚炎だった、とのことだよな」
  若手刑事「そうみたいですね。・・・でも、それが何か?」
ベテラン刑事「まだ気付かないのか・・・?(ニヤリ)」
                                   (最下段に続く)


こんにちは。
いかがお過ごしですか?

いきなりですが、今回は、死体が発見された現場に再度足を運んだ
ベテラン刑事と若手刑事の会話から始まりました。
一応推理モノになっているので、
最下段にはベテラン刑事の推理を載せておきます。

今回は「現場を見るべし!」というテーマで書いているのですが、
刑事の世界にも「現場百篇」という古い教訓があるそうです。
言うまでもなく、犯行の手がかりがつかむためには、
犯行現場に何度も足を運べ、という意味ですよね。

「現場百篇」は、営業マンにも当てはまると思うのです。

では、本題に入りましょう。
■営業マンは“ナマの情報”を持つべきだ

これまで私は、相手を説得する力・納得させる力が高い営業マンと
そうでない営業マンにたくさん会ってきました。

その力の差は、いくつかの要因で生じています。
論理性や単に伝えるテクニックの問題もありますが、
根本の原因は「持っているナマ情報の差」であると言えます。

営業マンにとっての情報は“ナマ”であることが重要です。
“ナマじゃない情報”は相手から納得を引き出すためには
あまり有効ではないからです。

■例えばこんなナマ情報

ある会社を想定してみましょう。

A社は、ある製造設備を製造業に販売しています。
A社のトップセールスマンであるB君は、
先方の設備部長(C部長)に以下のような提案をします。

 B君「わが社で扱っているこの設備は、以上のような点から、必ず御
   社製造部に生産性の向上と作業者の方々の労働環境の改善をご
   提供します。この点について部長の印象はいかがでしょうか?」
C部長「まぁ、他社ではそういう事例もあるようだね。ウチの場合、
   事情が違うので、その通りにいくかどうかわからんなぁ」
 B君「確かに御社の場合、製造ラインも工程も全く違いますからね」
C部長「そうなんだよ。まぁ、この設備は検討してみるよ」
 B君「ありがとうございます!ところで、ご提案があるのですが・・・」
C部長「なんだね?」
 B君「実際に、先ほど私が申し上げたようなメリットを御社にご提供
   できるかどうか、それを調べさせていただきたいのです。その上
   で、本格的なご提案書を提出させていただきたいのです」
C部長「ほう・・・」
 B君「御社の製造ラインについて、時間当たりの製造スピード、作業
   者の方々の作業内容、設備の起動時間、アクシデントによる1日
   あたりのライン停止回数と時間、作業者の方々の作業後の疲労
   度、また熟練度などです。全て調べるわけではありませんが、
   こういった情報をもとに、きちんとご提案したいのです。」
C部長「う~ん・・・」
 B君「ダメでしょうか?」
C部長「工場には部外者は入ってはいけないことになっているんだよ。
   残念だけど、許可はできないね」
 B君「そうですか。では、皆さん、お昼休みに社員食堂でお食事をしま
   すよね。その際、何人かの方に話を聞きたいのですが、それだっ
   たらいかがでしょうか?」
C部長「・・・まぁ、それならいいかな。製造課長でいいかな」
 B君「はい!ありがとうございます!。お話を聞きたいのは、製造課長
   様だけでなく、製造の最終工程に携わっている社員の方2名とパー
   トの方です。パートの方は、昼食をとられているときに、一緒に
   お食事をさせてもらいながらお話を伺います。あ、もちろん昼食
   代は自分で払いますよ」
C部長「あはは、食券くらい私があげるよ。しかし熱心だね」
 B君「ありがとうございます。必ず御社にメリットをご提供できる、と
   自信を持っているからここまで申し上げるのです。では、日取り
   ですが・・・」

この結果、B君は見込み顧客の“ナマ情報”を入手することができます。
このナマ情報は、製造現場から収集した生きた情報であるが故、
彼の営業上、有効である可能性があります。
またA君は、より生々しい情報を入手するために、製造課長だけでなく、
パートを含む従業員からも話を聞こうとしています。
このことで、ひょっとしたら設備部長が知らない情報まで入手でき、
それが今後の営業展開を左右するかもしれません。


■ナマ情報は全て現場に存在する

ここで言っている“ナマ情報”とは、

     営業マンが直に目で見て耳で聞いた情報

のことです。
直に収集した情報には、誰かのフィルターが入っていません。
従って、その情報のニュアンス、背景、事情なども含め、
正確に把握することができます。
そして、このニュアンス等が、営業活動に極めて重要となります。

ナマ情報には、例えば以下のようなものがあります。

●ナマ情報の例
 ○愛顧客から
  ▼当社の商品の気に入っている点、気に入らない点
  ▼顧客は購入するときにどんなことを調べたか
  ▼誰から意見を聞いたか
  ▼どんな使い方をしているか

 ○市場の声
  ▼対象ターゲットはどんなことを気にかけているか
  ▼対象地域のターゲットはどんな傾向があるか
  ▼競合商品を購入した人たちは、どんな感想を持っているか

 ○商品の開発担当者、製造現場作業者から
  ▼商品開発にあたりどんな失敗・苦労をしたか
  ▼なぜその商品を開発しようと思ったか
  ▼製造する上で、苦労することは何か
  ▼品質をあげるためにどんな工夫をしているか

 ○見込み客から
  ▼その商品やサービスを使う部門・人は何を考えているか
  ▼その人たちは具体的にどんなことに困っているか
  ▼或いは、具体的にどんなことにメリットを感じるか

 ○競合他社から
  ▼競合の営業マンはどんな営業方法をとっているか
  ▼競合他社はどんなパンフレットを使い、何を訴求しているか

皆さんは、もうお解かりだと思いますが、
本メルマガでは、上記のナマ情報が発生するところ全てを、
「現場」と表現しているのです。
こういった現場に足を運び、ナマ情報を収集することで、

   より効果の高い提案内容、営業の組み立てを考える

ことができるのです。


(冒頭からの続き)

ベテラン刑事「気になったんで、今朝ホトケの恋人に確認しておいたんだが
       な、ホトケはひどい花粉症だった、ということなんだ。皮膚
       炎ができるほどの、な・・・」
  若手刑事「ひどい花粉症・・・ですか。それが何か?・・・」
ベテラン刑事「周囲をよく見てみろ」
  若手刑事「・・・・・杉林・・・あっ!!!」
ベテラン刑事「重度の花粉症の人間が、今の時期、花粉が嵐のように舞う
       こんな場所に自殺に来るか?」
  若手刑事「そ、そうか!」
ベテラン刑事「ホトケの交友関係をもう一度洗いなおすぞ!」
  若手刑事「はいっ!」



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(文責:株式会社ジェイック 実戦型営業コンサルタント 林 丈司)


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