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◆第20号◆ 【注意!ルーチンセールス】 ~「営業革新の急所」 ナマの営業の知恵をお届けします~
2014年06月20日
■ルーチンの意味
“ルーチン業務”とは 言うまでもなく、定型業務のことですね。
念のため英和辞典で調べてみると、以下のように出てました。
routine:常規的な仕事, おきまり(の手順)
つまり、“頻繁に発生するけれども基本的な手順はだいたい同じ”
という仕事のことです。
普通ルーチン業務というと、総務や経理などの職種が思い浮かびます。
例えば経理であれば、帳簿の記帳や給与計算、
仕入れ・経費の支払い業務などがありますよね。
経理職や総務職 に求められる能力要件は、 正確性 と 迅速性 です。
ほぼ同じ仕事が大量に発生するので、
ミスなく、スピーディに処理することが求められるからです。
決して誰にでもできる仕事ではなく、適性と専門知識と習熟が必要です。
■ルーチンセールスに陥っていないか?
もちろん、営業はルーチンであってはいけませんよね。
営業に求められることは結果であり、その結果を出すためには
臨機応変の対応が求められるからです。
当たり前です。
でも、大勢の営業マンに関わっていると、
ルーチンセールスとも表現すべき人に出会うことが少なくありません。
要は、毎日の営業活動を定型化してしまっている人です。
ある会社の研修を行ったときのことです。
営業マンA君のアプローチブック(営業ツールを綴じているファイルのこと)
を覗いてみたところ、中に入っている紙が折れ曲がったり、
汚れたりしていることに気付きました。
更にページをめくって読んでみると、
あきらかに古いデータや記事などを使った営業ツールが入っていました。
以下、私とA君の会話です。
私 「この紙やけに古そうだね」
A君「ええ・・よく使うツールなので痛んでしまって・・・」
私 「でもこのデータ、B君が持っていたものの方が最新だよ。
この前研修で発表してもらったでしょ」
A君「そうですね。入れ替えようと思っていたんですが、ちょっと
忘れてしまって」
私 「・・・(もしや!)このアプローチブックいつ作ったの?」
A君「(目がきょろきょろ)ええと、、、2年くらい前に みんなで
作ったんですが」
私 「じゃぁ、この2年で中身を入れ替えたのはどれですか?」
A君「(ソワソワしだして)え~・・・どこも・・・変えてません」
つまりA君は、2年前に作ったアプローチブックを
ずっとそのままで使ってたんです。
モノモチが良い、とはまったく別次元のことです。
私は正直あきれちゃいました。
営業活動をしていると、
- 次はこの記事をネタに説明しよう、
- このツールは古いから作り直そう、
- プレゼン用のグラフデータを更新しよう、
などというアイデアは浮かぶはずですよね。
もちろんA君の例は極端ですよ。
でも、アプローチブックに限らず、
これに近いことって行動の中に見当たらないですか?
■身の回りのルーチン業務を発見しよう
そもそも、我々の生活はルーチンが多いものです。
何故多いかというと、生活を過ごすために有効だからです。
▼朝起きる時間がいつも同じ
(一番長く寝ていられる、起きてから必要な用事を済ますことができる)
▼起きてから家を出るまでの手順がいつも同じ
(効率的に顔を洗ったり、食事したり、新聞を読むことができる)
▼風呂で体を洗う順序がいつも同じ
(洗い残しなく、キレイに洗える)
▼毎週水曜日の9時から8チャンネルを観る
(楽しみにしているトリビアの泉を観ることができる)
▼新聞を買うキオスクはいつも同じ
(余計に歩かなくて済む)
▼昼食を取る飲食店はだいたい同じ
(おいしくて手ごろな金額で昼食を済ませられる)
でも、営業までルーチンにしちゃいけません。
ルーチンセールスだと、あなたの営業は良くならないからです。
例えば、営業マンのルーチンには以下のようなものがあります。
▼新規開拓の情報源がいつも同じ
▼飛び込みの切り出しがず~っと同じ
▼商談の手順がいつも同じ
▼1年前と訪問ルートが同じ
▼商品説明や クロージングのトークがいつも同じ
▼営業で外出する時間、帰社する時間がいつも同じ
▼訪問する既存客がいつも同じ
▼既存客の話す相手がいつも同じ
■常に成長し続けるために
売れる営業マンの営業活動には、ルーチンは極めて少ないのです。
できる営業マンのアプローチブックは、
しょっちゅう中身の追加・入れ替えがされているんです。
通販で業績を伸ばしている会社は、
最も反応の良いDMのスタイルをずっと使い続けます。
もしあなたがベストの営業を発見したならば、
しばらくはそれを使い続ければいいでしょう。
総務・経理職の場合は、同じ業務を繰り返し行うと、習熟します。
正確で迅速な業務遂行ができるようになり、
会社から求められる要件を満たすことができるようになります。
でも、営業の場合は、十分効果的な方法を見出していないにも関わ
らず同じやり方を繰り返すと 停滞 が起こります。
いや、競合の営業マンが進歩しているのだとしたら、
相対的には 後退 に 他ならないでしょう。
最後に、私の好きなあるトップセールスが言っていた言葉を紹介します。
「自分はもともと不器用なので、新しいことにトライしても大抵失敗し
ます。でも、エラーを起こしても、そのままほうってはおきません。
エラーの結果を踏まえ更にトライし続けることによって、100回トライ
すると 1回くらい大成功することがあるんです。
私はその積み重ねです。 つまり、 トライ & エラー & トライ ですよ」
了
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(文責:株式会社ジェイック 実戦型営業コンサルタント 林 丈司)
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