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営業革新の急所

◆第43号◆「活かすべき個性、修正すべき個性」 ~「営業革新の急所」 ナマの営業の知恵をお届けします~

2012年 10月 28日

こんにちは。
第43号の営業革新の急所です。

■“個性に合った営業”ってナニ?

この仕事をしていると、社長や営業部長からよく聞くんです。

「ウチの営業マンにもいろいろなタイプがいますからね。
その個性に合った営業を身につけさせないと・・・と思うんですよ」

まぁその通りの面もあるとは思います。
でも、全てがそうだとは言えませんよね。

だから先の言葉を聞くと、少し不安になります。
「活かすべき個性、修正すべき個性の違い」
がわかってるんだろうか、と思うからです。
個性って、当たり前ですが人それぞれのものです。
十人十色といいますが、人の数だけ個性があるでしょうね。
今日はそんな営業マンの個性のお話です。


■既存客との関係作りが得意なA君

以下は実際にあったお話です。
29歳の営業マン、A君についてです。

彼は、既存のお客さんと信頼関係を作るのが上手です。
誠実な人なので、お客さんも何度か付き合ううちに、
そのきちんとした対応や人柄が伝わるのでしょう。

でも、新規のお客さんには、なかなか売れないようです。

そんなA君に、研修の中で個別に指導していたときのことです。
なぜ新規開拓が苦手なのか仮説を作るために、
A君がどんな動き方をしているのか本人から聞き出していました。

すると営業部長さんが言ったのです。

『いや、A君は既存のお客さんには非常にウケが良いんですよ。
確かに新規開拓は苦手なんですが、A君の長所を活かして
既存客フォローを中心に担当させようと思うんです』

それを聞いたA君、「そうなんです」みたいな顔をしています。
以下、営業部長さんと私との会話です。

「そうですか。では、A君の担当は今何社ですか?」
『35社です』
「少ないですね。では、A君の既存のお客さんだけで
毎月700~800万円売上を伸ばす余地があるのですか?」
『ええと・・・まぁ5社くらいあるはずです』
「どことどこが、どのくらい可能性があるのですか?」

・・・・以下、既存顧客についてヒアリング。

「では、既存のお客さん全てをインストアシェア100%にして、
やっと目標達成できるのですね」
『・・・そうなりますね』
「実際そんなことが可能ですか?2社購買が世の中の流れなのに。」
『・・・う~ん・・・』
「では、A君にもっと有力既存顧客を担当させますか?」
『そこはベテランが担当しているので・・・』
「じゃぁ、新規をやるしかないじゃないですか」


よって、A君に既存顧客だけを担当させる、
という営業部長の案は却下しました。

そして実はもうひとつ、営業部長の案を退けた理由があります。
それは、A君が「新規開拓が下手なだけ」だからです。

この会社はルートセールス主体ですから、
石にかじりついてでも新規開拓に取り組む、という風土がありません。
そんな風土の中で、A君は入社以来6年間、
新規開拓をほとんど行わずに過ごしてしまいました。

つまり、A君の個性だと言っていた「既存のお客さんから信頼される」
ということは、新規開拓が苦手なために際立って見えただけです。
できる営業マンだったら、新規も既存もバランスよくこなして
他人が文句の言えない実績を作るはずです。

営業マンだったら、既存のお客さんも、新規のお客さんも、
両方対応できないといけませんよね。

A君に関する結論です。

既存のお客様との関係作りが得意なのは良いことです。
できていない営業マンもいるのだから、A君はしっかりやっている。
でもそれだけでは、不十分です。
営業マンとして成長し、近い将来御社の戦力になるためには、
それに加え新規開拓力を身につけないといけないのです。


■活かすべき個性、修正すべき個性

A君だけでなく、営業マンにもいろいろな人がいます。

 ●弁舌さわやかに立て板に水のBさん
●あるお客さんにはスゴク気に入ってもらえるけれど、
せっかちなお客さんには合わない朴訥なCさん
●とにかく突撃訪問を習慣にしており、訪問量を稼ぐタイプのDさん


それぞれ営業マンとしての個性かもしれません。
でも、その個性が営業マンとして良いかどうかの判断基準は単純でしょう。

それは、「実績(の可能性)」と「お客様の反応」です。

その個性を活かして、十分な売上(利益)をあげているか、
あげる可能性があるか。
また、多くのお客様から支持されているか。

まぁ当たり前のことなんですが、
このことは一般的に、突き詰めて考えられてないように思います。
「人の個性は尊重すべき」と、盲目的に考えてはいけません。

もしその個性だけでは不十分なら、新しい「何か」を身につけさせること。
或いは、持っていても仕方ない個性だということだって、考えられます。


A君は既存客だけでは、実績を伸ばす可能性がなかったのです。
(新規開拓のやり方を身につけさせる)

Bさんがいくら弁舌さわやかでも、お客さんの反応が今ひとつなら、
しゃべる前に質問をすることを徹底させるべきです。
(喋らず聞き出しを徹底させる)

Cさんがせっかちなお客さんに合わないのなら、
対応スピードが足りなかったり、業務知識に乏しいのかもしれません。
(ハイスピード対応と業務知識を身につけさせる)

Dさんの様に、無闇にたくさん鉄砲を撃っても当たる確率は極めて低い。
訪問件数が少なくてもいいので、じっくり攻略する方法を教えることが
結果を出す近道ということもあり得ます。
(ターゲットを絞り事前準備を徹底させる)

※( )の中は、特定の状況における例に過ぎないので
万人に当てはまることではありません。


「実績(の可能性)」と「お客様の反応」。

あなたや、あなたの部下の方々の個性、
一度整理してみてはいかがでしょうか?



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(文責:株式会社ジェイック 実戦型営業コンサルタント 林 丈司)


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