【人事向け】第二新卒を採用するメリットとは?ベストな方法と時期を解説
公開日:2021年03月16日
更新日:2022年02月09日
第二新卒の採用を推進する企業が増えています。若者の人口減少や離職率の高さから、第二新卒に注目が集まっているようです。今回は、第二新卒を採用するメリット・デメリット、最適な時期や採用方法、有望な第二新卒の見極めポイントを解説します。
第二新卒とは
第二新卒とは、一般的には、以下の条件にあてはまる人材のことを指します。
- 企業で正社員として就業した経験がある
- 新卒入社後、3年以内に離職している、もしくは離職する予定
- 転職先を探している求職者である
高校や大学の卒業後にフリーターとして過ごす人も増えていますが、一般的にはフリーター経験だけの人材は含まれないようです。
しかし、第二新卒に明確な定義はありません。フリーターとしての仕事も就業経験と捉え、第二新卒として募集を出すこともできます。
第二新卒へ注目が集まっている?
近年、新卒者を含め、若手人材の確保が難しくなっています。少子高齢化で人口減少の著しい層も働き始める20代となり、企業の雇用にも大きな影響が出始めているのです。そのため企業間の若手の獲得競争も激しさを増しています。
このような背景から、企業の第二新卒への注目度は高まっているようです。
第二新卒を採用するメリット
- 企業文化に馴染みやすい
- ビジネスマナーや業務基礎は習得済み
- スピーディーで柔軟な採用が可能
- マッチ度の高い若手が確保できる
第二新卒には、新卒や中途の人材とは異なる特徴があります。第二新卒を採用するメリットを詳しく見ていきましょう。
企業文化に馴染みやすい
第二新卒者は新しい転職先の企業文化も比較的素直に対応できます。企業文化を受け入れやすく、企業の望む人材に成長していきやすいのです。
一度は正社員として就職し、就業経験があるとはいえ、経験は3年以内です。勤めていた企業の文化や慣習に染まっている可能性は低いと考えられます。学生から社会人になって間もない時期ですから、仕事観や信念をすでに確立している人材は少ないでしょう。
ビジネスマナーや業務基礎は習得済み
第二新卒者は基礎的なビジネスマナーや業務を一通り身に着けています。新卒で正社員として企業に入社する場合、多くは入社直後に新人研修を受けます。社会人として遂行すべきビジネスマナーや、仕事をする上での基礎的な知識をそこで学ぶのです。
そのため、第二新卒者は社会人の基礎を一から習得してもらうための研修を実施する必要があまりありません。そのため、研修の手間とコストを省くことができます。
スピーディーで柔軟な採用が可能
新卒採用には最低でも半年以上の期間が必要です。一方で第二新卒者の場合はこうした成約がなく、短期間で採用することができます。
また入社時期が固定されている新卒者に比べて、第二新卒者は自由なタイミングで入社させることができます。こうしたことからよりスピーディーで柔軟な採用活動をすることができるのです。
マッチ度の高い若手が確保できる
第二新卒採用の方が、新卒に比べ、マッチ度の高い人材を確保できる可能性があります。
第二新卒は一度就職を経験し、実務をこなしています。
実務経験によって、仕事に対する理解度も高まり、自分に、よりマッチする企業の基準を見出していると考えられるのです。
ジェイックの採用支援サービス
第二新卒を採用するデメリット
- 即戦力としては期待薄
- 再度の早期離職の可能性
- 他の社員とのギャップ
メリットの多い第二新卒の採用ですが、デメリットもあります。メリットだけでなく、しっかりとデメリットも見極めていきましょう。
即戦力としては期待薄
就業、業務経験があれば、即戦力を期待したいところかもしれませんが、第二新卒の人材は初めての仕事を最長でも3年しか経験していません。転職先の仕事が、前職と同業種・同職種であったとしても、組織で即戦力になるという期待はできないでしょう。
第二新卒の業務遂行の能力やスキルについては、新卒と同等と見て、将来的なポテンシャルで判断している企業が多いです。有力な戦力とするには、教育・指導を含めた人材に対する投資と育成期間が必要となるでしょう。
再度の早期離職の可能性
仕事や企業選びに慎重になる第二新卒ですが、一度、離職を経験しています。初めての離職のハードルはかなり高いと言われますが、一度、経験するとそのハードルは低くなってしまう人もいます。
早期離職の主な原因は、現実とのギャップと言われます。募集、選考、面接などの採用活動の中で、人材と企業の認識のギャップをできるだけ埋めておくことをおすすめします。
他の社員とのギャップ
第二新卒の経験やスキルは人材ごとに異なります。前職企業の業務状況や教育の差があるからです。
新卒人材に対し、各社一律の教育・指導をします。第二新卒者が別会社で教育を受けたのであれば、年代が同じでも、他の社員と能力やスキルに差が出てしまう可能性があります。既存の社員とのズレは、第二新卒の悩みの要素にも繋がりかねません。
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第二新卒のベストな採用時期はいつ?
- 1月~3月
- 7月~9月
- 自社の決算期に合わせる
第二新卒を募集する際のおすすめのタイミングは上記3つの時期です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
1月~3月
一般的に1~3月は求人が増える傾向にあります。これは企業の決算期が影響しており、多くの企業では年度末が3月末です。そのため、区切りの良い4月の入社に向けて求人が多く出されるのです。
こうした影響から、第二新卒で転職を希望する方も同時期に動き出します。
7月~9月
同様に、7月~9月も第二新卒者の採用が適している時期であると言えます。10月は多くの企業が上半期に突入するため、区切りのいい時期です。そのため、10月を目処に7月~9月に採用活動を始める企業は多いです。
求人が増え、結果的に多くの第二新卒者が動き始める時期といえるでしょう。
自社の決算期から考える
ここまで、世間の動向を見てきました。次におすすめしたい時期は自社の区切りの良いタイミングに合わせることです。
年度の始まりは人事にとって、新卒を迎え入れ、研修に忙しくなる時期です。こうした繁忙期を意識して採用活動することも1つの手です。
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第二新卒の採用方法
第二新卒の人材を積極的に採用したいと考えるとき、どのような採用方法が有効となるのでしょうか。自社にマッチする人材からの応募を集め、採用活動をスムーズに進めていくために不可欠となるポイントを解説します。
第二新卒が魅力を感じる企業アピール
第二新卒者が魅力に感じるポイントは新卒者と異なります。そのため、企業アピールは全年代に同じものを使い回すのではなく、20代中盤から後半にかけての年代層をターゲットにしたアピールにする必要があります。
特に第二新卒者の場合、企業規模や知名度より、「自分がそこで働いてどうか」に重きを置く傾向があります。職務経験がある分、仕事に対する考え方、近い将来の展望はより明確であることがほとんどです。そのため、福利厚生や評価制度、待遇といったポイントを中心にアピールしていくことが重要です。
第二新卒にとっての魅力を探るには「生活スタイル」「コミュニケーションの仕方や捉え方」「流行っているもの」などにヒントが隠れているかもしれません。また「採用/転職サイトの動向」や「若手が集まるSNSのチャンネル」を覗いてみると情報が得られる可能性があります。
魅力の的のずれたたくさんのアピールより、ピタッとはまるアピールを1つ伝えた方が効果的です。そのため、まずはターゲット層である25歳前後の方についての情報収集にも力を入れましょう。
第二新卒に合う媒体とツールを使う
自社の求人に際し、活用できる媒体は、求人/転職サイト、人材紹介、自社の採用サイト、SNS、ハローワークなど多種多様に存在しています。種類ごとに見れば、選択肢はさらに幅広くなるでしょう。
重要なのは、第二新卒の集まる媒体を活用するということです。
紹介会社に依頼するのであれば、若手採用に強いところを選ぶことで、マッチ度の高い人材と出会える確率も高まります。第二新卒に特化した合同説明会やイベントも開催されているので積極的に出展してみるのも一手でしょう。
また、応募から入社までのコミュニケーションを円滑に進められるツールを使われることをおすすめします。ポイントとしては第二新卒が日常的に使っているコミュニケーションツールに合わせることです。
傾向として、電話やメールは敬遠されがちで、プライベートを含め、LINEやTwitterなどの活用が主流になってきています。迅速で、確実な意思疎通を図る意味でも、身近なツールの導入は必須の条件といえるかもしれません。
第二新卒にフィットする媒体やツールを活用すれば、ダイレクトリクルーティングによる採用も可能になるでしょう。
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有望な第二新卒を見極めるポイント
入社後数ヶ月で辞めた人も、2年半で辞めた人も同じ第二新卒です。勤めていた企業ごとに、携わる業務の体制や範囲、受けてきた教育の内容や質が異なります。つまり、第二新卒も中途人材と同じように、人材としてのレベルの幅が広いと考えられるのです。有望な第二新卒を見極めるには、具体的に以下の点をチェックしましょう。
- 受け答えの仕方や姿勢
- 企業と求人業務の理解度を探る
- 失敗経験を深堀り
- 経験アピールに終始する場合は注意
受け答えの仕方や姿勢
応募時点から発生するやり取りや面接などでの、受け答えの仕方や姿勢を見ましょう。第二新卒は、企業文化を受け入れる素直さを持ち、熟練した中途人材にはないフレッシュさが重要です。
スキルの未熟さは許容できても、ごまかしや取り繕う人は採用できないでしょう。第二新卒のメリットを備えているかが見極めポイントの一つです。
企業と求人業務の理解度を探る
面接の対話の中で、自社のことや業務内容をどれくらい理解しているかを見ましょう。マッチングの意味でも、この点の確認は重要ポイントです。選考中のやり取りや面接で、積極的に深く知るための質問のできる人材もいます。意欲の高さも、深く細かいところにまで視点や思考が向いているかで判断できるでしょう。
失敗経験を深堀りする
それまでの失敗経験を聞きましょう。そのときに重要なのは、失敗が何かではありません。人材の価値観や捉え方、どのように解決したのか、立ち直りまでにどのようなことに取り組んだかという点です。同じような失敗でも着目するポイントは個々に異なっているため、個性・人柄、問題解決の仕方や能力、ストレッサーや回復力も測ることができるでしょう。
経験アピールに終始する場合は注意
面接では、候補者の誰もがアピールをします。悪いことではないのですが、業務経験のアピールに終始する第二新卒には注意が必要かもしれません。この時期の経験が、企業があてにできるレベルのものではないということは採用担当者の方もご承知でしょう。
ここで見えてくるのは、謙虚さ、自己の課題を見つける力、自分を客観的に見る視点の有無です。説明に誰が登場するかに着目してみると、周りとのコミュニケーションの質や、将来的に伸びる力も見えてくるでしょう。
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おわりに
第二新卒は、ビジネスマナーや業務の基礎スキルは備えていると考えられている層です。しかしながら、即戦力のレベルに達している可能性は低く、入社後も企業の教育やサポートが求められます。
新卒や他の中途人材とは異なる第二新卒の特徴や状況を理解することが先決です。適した媒体やツールを活用しながら、第二新卒を採用するメリットを最大限に得ていきましょう。