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営業革新の急所

◆第66号◆「営業の古典:イエス=バット法はもう古い?」 ~「営業革新の急所」 ナマの営業の知恵をお届けします~

2012年 12月 18日

こんにちは。
第66号の営業革新の急所です。

さて、今回は営業の古典的手法を取り上げました。


■YES=BUT法

私は若い営業マン時代に教わったのですが、
研修の参加者に確認すると意外に知らない人が多いものです。
なので、念のためここで解説しておきますね。

YES=BUT法とは、例えばこんなかんじです。

▼同僚との会話
「よお!、今夜飲みに行かない? 魚の新鮮な店みつけたんだけど」
『お、魚食べたいね。今は脂が乗ってる季節だしね。
ただ今日は用事があってさ。すぐに帰らないといけないんだ』
「そっかぁ、じゃぁ来週にするか・・・」

▼夫婦の会話
「ねぇあなた。子供の春休みにはグアムに旅行に行きましょうよ」
『グアムか、暖かいしいいねぇ^^ 海もきれいだものなぁ・・・。
だけど春は子供の私立中学入学でけっこうかかるじゃないか。
貯金には手をつけたくないから、来年にしない?』
「う~ん・・・、そうねぇ。残念だけど・・・」

つまり、いきなり反論するのではなく、
まず相手の言い分を肯定(YES)し、
そのあと反論(BUT)しましょう、ということです。
そのほうがずっとこちらの主張が通りやすく、
相手は納得しやすい、というワケです。

ためしに、YESのないBUTだけの会話にすると違いがよくわかります。

▼同僚との会話
「よお!、今夜飲みに行かない? 魚の新鮮な店みつけたんだけど」
『あ~、今日は用事があってさ。すぐに帰らないといけないんだ』
「なんだよ、つきあい悪いなぁ・・・」

▼夫婦の会話
「ねぇあなた。子供の春休みにはグアムに旅行に行きましょうよ」
『だけど春は子供の私立中学入学でけっこうかかるじゃないか。
貯金には手をつけたくないから、来年にしない?』
「え~、せっかく子供の受験も一段落したのに・・・」

こうやって見てくると、すごく簡単そうですよね。^^


■簡単なYES=BUT法 しかし・・・

なぜイエスで受けたほうが相手が納得するか、
ということは心理学で説明できます。
また、いきなり「BUT・・・」と議論をしても
絶対にお客様は買ってくださらない、と
かのアメリカ最高のセールスマン、フランク・ベドガーも言っています。

でもそんな解説をしなくても、感覚的に理解いただけますよね。

それくらいYES=BUT法は簡単です。
理解することだけでなく、使うのも。



・・・でも、ちょっと待ってください。

このYES=BUT法をすでに知っていたり理解している人でも
決して正しい使い方をしているとは限らないのです。

それはイエスの使い方にあります。

以下の例文を読んでみてください。

購買課長「説明はわかったけどさ、お宅とはつきあいも長いんだから、
電話一本で(製品を)スグに持ってきてくれないと困るよ。」
営業マン『はい、おっしゃるとおり長くお付き合いいただいております。
しかし、配送車の順路も前日に決まっていますし、
県南のほうまで配達した場合は帰社が夜になることも多いんですよ』
購買課長「(反論されたように感じて)そういうときは君が持ってきて
くれればいいじゃん。こっちだって緊急で電話してるんだからさ」
営業マン『あ、そうですね。確かにその通りです。
ただ、私も遠くにいる場合はすぐには対応できなくて・・・(汗)』


さて、なぜ購買課長は反論されたように感じて、
この商談がこじれそうになってしまったのでしょうか?


■相手の心理を想像せよ

イエスで受ける、ということは、
相手(の言い分)を認める、ということです。
つまり、ただ機械的に一度肯定すればいい、というものではありません。

ですからどこかのトークマニュアルに載っているような

「はい、おっしゃるとおりでございます」

などというイエスの受け方はあまりよくないんです。
それよりも、

「あ~・・そうですよねぇ(同時に深く頷きながら表情でも伝える)」

と受けたほうが、しっかり相手を肯定することになるのです。

あるいは、相手の言ったことを言い換えるのも効果的です。
例えば

「そうですよねぇ。
計算してみると、もう私が小学生の頃からのお客様なんですものね」

といった具合です。

つまり、YES=BUT法が絶対に効果を発揮できない場合は、
「こりゃ反論をするためのイエスだな」と相手に見透かされたときです。
逆にイエスバット法が効果を発揮できる場合は、
相手が「オレの言ったことを理解したな。オレを認めてくれたな」と
はっきりと感じたときです。

要は、“相手を肯定する”ためにどういう返答・態度をとったらよいか
臨機応変に考えましょう、ということですね。



■YES=BUT法を使ってはいけないとき

ただし、このYES=BUT法、
使いすぎるとお客さんを増長させてしまうことがあります。

お客様の主張はすべて正しい、と受け止めるだけが営業ではありません。
いえ、もちろんお客様の要望をかなえることこそ、
製品やサービスの革命を生むものです。
ですからここで言いたいのは、
ただのご機嫌取りになってはいけない、ということです。

そのために意図的に浅い肯定を使ったり、
場合によっては断固として否定することも必要になります。

例えばこうです。

▼浅い肯定(イエス)のケース

購買課長「じゃぁいきなり電話したときもその日に持ってきてね」
営業マン『はい、もちろんできるだけそうしますが、すべてはできませんよ。
私や配達車が遠方に行ってることもありますので。
御社にはもっと別の形で必ず貢献しますので、
是非急な配達が多くならないようにお願いいたします^^』

▼全否定のケース

購買課長「おたくのはすぐ壊れるんじゃないの?」
営業マン『いえ!ぜっったいにそんなことはありません!(強い視線で)
そんな商売をやっていたら当社はつぶれてしまいます!!』


知っている人はよく知っているYES=BUT法。

でも、安易に使ってはいけません。
使い方によっては効果を発揮できなかったり、
お客様を必要以上に増長させてしまったりしますから。
また、上司の方は以上のようなことを踏まえ、
部下の営業マンに教えてあげてくださいね。



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(文責:株式会社ジェイック 実戦型営業コンサルタント 林 丈司)


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