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「リスク管理」は4つの流れが重要?「危機管理」との違いって何?
2017年10月09日
「リスク管理」や「危機管理」、よく耳にすることから、知らず知らずのうちに口にする人も多いのではないでしょうか?今回は意外と知らないリスク管理の意味と、応用するにあたっての流れ、危機管理との具体的な違いについて徹底解説します。
リスク管理(リスクマネジメント)とは
プロジェクトなどの実行にあたり、考えられるリスクを発生させないようにするためのものです。リスク管理の大きなポイントは想定されるリスクを探し出し、予想される影響を把握、損害を未然に防ぐことです。
また、プロジェクトなどを実行することで想定されるリスクだけではなく、実行しなかった場合に発生する損害もリスクとして考えます。
リスク管理の流れ
リスク管理の過程はリスクの把握とリスクへの対策が大きな軸であることが分かりましたが、実行する上では具体的な流れがあります。以下の通りです。
1. リスクの把握
プロジェクトなどを実行した(実行しなかった)場合、どのようなリスクが想定されるか徹底的に探しだし、明確にする作業です。プロジェクトを実行する前から把握できるものはもちろん、プロジェクトを開始してからも想定されるリスクが出る場合もあるため、リスト化&常時更新する必要があります。
2. リスクを評価
把握したリスクがどのくらいの割合で発生するのか(発生率)、懸念していたリスクが発生したときにどんな損害をもたらすのか(影響度)の2つを焦点に評価します。リスクの把握がプロジェクト実行後に常時更新されるので、評価もリストの更新ごとに絶えず行いましょう。
3. リスクへの対策
損害の発生率や影響度を評価したところで、想定されるリスクの発生を最小限に抑えるためにとる行動です。リスクの規模によってはいくつかの対策を合わせて行います。また、リスク管理における対策の理想は、想定される損害をゼロにとどめることです。
4. リスクを監視
リスク管理は対策を行って終了するわけではありません。対策を十分に行っても発生する場合があります。リスクの発生をいち早くキャッチするためにも、監視は不可欠です。
ただ、リスクには監視期間を設けることもあります。把握されたリスクが多い場合に用いられますが、監視にもコストはかかるため、期限を迎えたらリストから除外する作業も行います。
よく比較される危機管理とは
危機管理とは、すでに発生してしまった危機に対して、損害を抑え事態を回復させることを指します。ここで重要なのは、損害を最小限かつ最短の期間で収束させることです。
リスク管理と何が違う?
リスク管理は予想される損害を未然に阻止することとご説明しました。対して危機管理は、すでに発生してしまった危機を抑える行動です。危機管理の要因にあたるものの大半は発生の恐れがあるが、事前に対策がとれない自然災害や外部からの影響です。簡単に考えると、リスク管理で防ぐことのできないものを危機管理で対策します。
また、リスク管理は事前対策が主としてとらえられ、危機管理は事態が発生してからの行動だけにフォーカスさえがちです。しかし、危機管理においても事前に発生するであろう、危機を洗い出し、事態発生時には速やかに対応できるよう指針を設けることが必要不可欠です。
リスク管理の応用
リスク管理と危機管理のそれぞれの流れや特性が理解できたところで、リスク管理を実際、どのような形で用いるのかご紹介致します。今回は小売業を行う企業を例にとって考えてみましょう。
1.リスクの把握
小売業を行う上で、考えられるリスクを洗い出します。ここではリスク管理で対策できるものも、危機管理でしか扱えないものも意識せず列挙してみましょう。
2.リスクを評価
さきほどの『在庫過多』のリスクを評価してみましょう。まず発生率ですが、扱う製品の数が多ければ多いほどリスクが高まることが想定されます。季節によって消費が偏るものであれば、在庫が余ってしまう割合も時期によって変わることも考えられます。
続いて影響度ですが、打ち出しを強化するためなどで在庫を大量に抱えれば損害が大きくなります。また、製品そのものの価格や価値が高い場合は少ない在庫であっても、影響が出てしまうでしょう。
3.リスクへの対策
では、『在庫過多』を防ぐためにはどのような対策をとるべきでしょうか?在庫を一切抱えないことが1番効果的でしょうし、対応も簡単でしょう。しかし、在庫を一切抱えないともなると、利益も出ないことになるので本末転倒です。
売れ行きなどを分析し適正な在庫量を調整するなどが適していると考えられます。また、積極的に製品を売り込み在庫の流れつくる方法も挙げられます。1つのリスクに対して対策は必ずしも1つではなく、影響度や発生率によっては複数合わせます。
4.リスクを監視
『在庫過多』の場合、視覚的にも顕在化しやすいので見逃してしまうことは少ないかもしれません。しかし、どのラインでリスクと決定するか、対策の判断ができる基準を設けます。在庫については棚卸しなどを実施し在庫数の見直すことで監視行動ができるでしょう。
おわりに
プロジェクトの進行おいて、リスク管理と危機管理のどちらかを完璧に行っても、片方が不十分であれば何の意味もありません。今回ご説明した通り、それぞれの対応に適した場面があります。リスクをリスト化する際には、事前の対策可能か、事態が発生しないと対応できないか検討する機会も設けましょう。対応できるようであれば、流れに則ってリスク管理、難しいようであれば危機管理と分けておくことで迅速な活動ができます。
プロジェクトの成功は、リスク管理と危機管理の平行がカギです。発生するかも分からないことについて対策するのですから、一見すると意味がないようにとれます。しかし、ビジネスの現場では物事をさまざまな面からとらえることも欠かせないのです。
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