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有料職業紹介事業における「職業紹介優良事業者認定制度」の導入背景、審査内容
2016年07月12日
有料職業紹介事業とは、求職者と企業を結ぶ事業です。企業からどのような人材を求めるのかヒアリングし、その要望に合致する求職者を紹介して手数料を受け取ります。ハローワークも職業紹介事業を行っていますが、ハローワークは「無料職業紹介事業者」と呼ばれます。一方、一般の人材紹介会社などは「有料職業紹介事業者」と呼ばれます。
平成25年6月に策定された「日本再興戦略」において民間人材ビジネスの活用がうたわれるなど、有料職業紹介事業者の中でも特に優れた事業者を認定しようとする動きが出てきました。このような背景から生まれた制度が「職業紹介優良事業者認定制度」です。今回は、職業紹介優良事業者認定制度が始まった経緯や本制度の概要をご紹介します。
優良事業者認定制度が導入された背景
有料職業紹介事業を始めるためには、厚生労働大臣の許可を受けなくてはなりません。金銭上のトラブルなどを防止することを目的に許可制を取っているため、違反すると罰則も適用されます。健全なサービスを提供できると判断された事業者にのみ、職業紹介事業の許可が下りる仕組みです。
平成25年には国の成長戦略の一環として民間業者が行う人材ビジネスが注目されましたが、民間の人材ビジネスを十分に活用するためには、国が優れた業者を認定して業界の模範をつくる必要がありました。平成26年度からスタートした職業紹介優良事業者認定制度ですが、優良事業者と認定されることにより、「社会的信用の向上」「経営改善モチベーションアップ」「コンプライアンス意識の向上」などが期待できます。
認定制度の審査内容
職業紹介優良事業者は指定の審査機関により審査及び認定されます。優良事業者と認められるためには、どのような項目がチェックされるのでしょうか。
主な審査項目は、「経営が安定しているか」「法令を遵守しているか」「適正な業務運営がなされているか」という3点です。経営の安定性については、経営方針や財務基盤に問題がないかを確認されます。法令遵守の項目では、コンプライアンス体制が整っているか、個人情報の管理が適切か、などがポイントです。業務運営の面では、求職者の募集、求人の受付、紹介の方法などをチェックされます。
これら3点以外にも、正確性の高い情報公開をしているか、就職困難者へ仕事を紹介できるような取り組みをしているか、という点も審査の対象です。
認定制度の申請の流れ
認定を受けようとする事業者は、まず指定審査機関に申請を希望する旨を伝えます。その後、指定審査機関から自己点検表が送付され、申請に必要な条件を満たしているか自己点検します。
書類審査通過後に実地調査が始まり、調査員からのヒアリングや、それぞれのチェック項目をクリアしているかどうかの証拠の確認が行われ、優良認定できるかどうかの判断が下されることになります。
無事に優良認定された事業者には、「職業紹介優良事業者認定証」が交付されます。また、認定マークの使用も許可されるため、自社のWebページや名刺などに掲載できるようになります。なお、優良認定の有効期間は3年です。
おわりに
職業紹介優良事業者認定制度では、有識者による「職業紹介優良事業者推奨協議会」が設置されています。この協議会は学識経験者や民間の職業紹介事業者団体、労使の代表らによって構成されており、認定制度の普及や運営のありかたを協議しています。
まだ最近始まったばかりの認定制度ですが、今後の日本労働市場の活性化を実現するためには不可欠な制度といえるでしょう。一部の職業紹介事業者の中には悪質な業者も存在するため、利用する事業者を選ぶ際は優良事業者であるかどうか確認することをおすすめします。
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