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◆第59号◆「要は再現できるかどうかがカギ」 ~「営業革新の急所」 ナマの営業の知恵をお届けします~
2015年03月27日
こんにちは。
第59号の営業革新の急所です。
さて、今回のテーマは、「再現性」です。
■勝因分析・敗因分析
営業マンは、いくら経験を積んでも、売れたときは嬉しいものです。
苦労をしたら苦労をしただけ、その嬉しさは増幅されるでしょう。
とはいえ、もちろん失注も避けられません。
しかし、それらの経験の積み重ねが営業マンを鍛えるものです。
無為に経験を積み重ねないためにも、勝因分析・敗因分析が肝要です。
トップセールスは、こういった分析が極めて正確です。
そういえば以前、この「営業革新の急所」で、
“正確な敗因分析をするためにお客さんに率直に聞きに行きましょう”
と書いたこともあります。
勝ちを多くし、できるだけ負けを少なくすること。
つまりこれは、どうすれば勝てるか、何をすれば負けないか、
というコツ、ポイントを身につけることです。
■正確な勝因分析をするときには・・・
例えばこんな問いを自分自身に投げてみます。
▼なぜ競合ではなく、当社から、私から買ってくださったのか?
▼なぜ今までお付き合いもしてないのに、私を信用してくれたのか?
▼なぜ今回は値引きしなくても買っていただけたのか?
▼なぜあの既存顧客は、あんなにたくさんの紹介をくださったのか?
これらに自信を持って答えられるなら結構です。
その結果、常に正確な勝因分析を行っている方なら、
きっとトップセールスマンの道が開けるでしょう。
でも、なかなか勝因分析を正確にはできないのが、一般的なようです。
トップセールスマンはこの世に少数派なのですから、それも当たり前でしょう。
多くの営業マンの勝因分析が不正確になる理由は、
“考察の浅さ”
にあると思います。
例えば、ある営業マンA君が受注後に勝因の考察をして、
「今回はあのお客さんと気が合ったから」と結論付けたとしましょう。
しかし、これは考察が浅いため真の勝因に到達していません。
この場合、売れる売れないはお客さん次第となってしまい、
A君の今後に流用できません。
そう、勝因は「再現できるもの」でなければいけないのです。
(と私は勝手に定義します)。
ですからA君はもっと考察を重ねなければいけません。
「お客さんと気が合った」のはナゼなのか?と。
最初からお客様が好意を抱いてくれたからならば、それはナゼなのか?
ちょっとした気配りが、好印象を与えたのではないか?とか・・・
その奥に突き当たってはじめて、A君は“経験を積んだ”と
言うことができ、一歩一歩成長するものですよね。
同様にB君が考えた勝因は、「提案に説得力があったから」だったとします。
しかし、B君の提案は、基本的に同じ提案書の雛形を使って、
どのお客様に対しても同じだったとしたらどうでしょう?
その「説得力のある提案」を再現できるでしょうか?
たまたまその提案に魅力を感じてくれた理由はナゼなのか?と考えない限り、
ニーズの違う他のお客様に対して再現できるはずもありません。
提案の中の何がそうさせたのか?
そこを突き止めれば、提案の仕方を変えるヒント
(例えばヒアリングを的確に行って、相手にぴったりの提案を行うとか)
を発見できるかもしれません。
こういう考察をしても、どうしても再現性のない場合は、
それはラッキー受注となります。
計画に組み入れることもできない“読めない売上”です。
■再現するためのアレンジ
再現するには、応用力が必要です。
例えば、担当者にプレゼンしてもらちがあかなかったので、
その上司(キーマン)を引っ張り出し直接交渉したら受注できたとしましょう。
ここから導き出される勝因は、「キーマンへの直接交渉」です。
しかし、いつもキーマンに会えるわけではなく、
ときには担当者に阻まれる場合があります。
以前受注できたときと同じように、
「次回は上司の方に同席いただき、ご提案書をご説明させてください」
と言うだけでは、
「部長は忙しいので、私が聞きますよ」
と言われてしまうかもしれません。
それこそ無策です。
当然そのような断わり文句を予想した上で
作戦を立てておかないと再現性を発揮できません。
勝つ確率を高める手段は、「キーマンに訴えること」なのですから、
或いは、提案書を工夫するだけでも効果を発揮できるかもしれません。
ひょっとしたら、担当者に渡した提案書の1冊に
「総務部長 ●●●●様」
と書いておくだけでも読んでもらえる確率を高めるのです。
以上の様に、受注できた帰りや営業会議などで勝因の振り返りをしたら、
必ず「再現できるか?」「別のケースではどうするか?」
ということをキーワードにして考察することをお勧めします。
了
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(文責:株式会社ジェイック 実戦型営業コンサルタント 林 丈司)
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