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◆第75号◆「“教える”ことについて考える 」 ~「営業革新の急所」 ナマの営業の知恵をお届けします~
2015年07月17日
こんにちは。
第75号の営業革新の急所です。
さて、弊社では新卒の新入社員に、毎年飛び込み訪問を行わせています。
今年は、480万円の受注と2900万円の見込み客を発掘してきました。
弊社のサービスの性質上、100%粗利益です。
例えば、29%の粗利益率なら1億円の見込みということになります。
今回は、その新入社員のお話です。
■ ジェイック新入社員の飛込み訪問
今年ジェイックでは、私が2ヶ月間、彼らの
教育担当になりました。
もちろん私は研修等で会社にいる時間も多くありません。
週に2~3回、それも夕方以降に顔を出すだけです。
ジェイックの新入社員には、恒例として毎年飛び込み訪問をさせています。
社会に出てまず最初に、お客様に買っていただくことの難しさを実感し、
買っていただくために工夫をすることの大切さを学んでほしいからです。
今年の新入社員にも、街中に出て飛込み訪問を行わせました。
その際彼らに与えた目標は、「見込み顧客の発掘」です。
期間が短いため、弊社サービスの特性上、受注までは難しいからです。
弊社は社員教育と人材紹介を営んでいる会社です。
それらをお客様に紹介し、
▼セミナーの申し込み、研修提案の機会をいただく
▼人材紹介の契約書・守秘義務契約書を交わす
ということが見込み客の条件です。
結果、480万円の受注と2900万円の見込み客。
なかなかのものだと思います。
社会に出て間もないとはいえ、それぞれ個性豊かな子たちばかりです。
おのずと活動内容にも特徴があります。
ですから以下で、何人かの新入社員の活動を紹介します。
■ こんな新入社員でした
▼O君
面白いキャラクターの社員です。
ですが飛込み訪問では、何人かのお客様から叱られてしまったようです。
叱られるのは彼自身のやり方に問題があるからですが、
本人にしてみれば次に訪問するのが恐くなってしまいます。
彼もずいぶん悩んだようでした。
しかし、飛込み訪問の後半では見事に採用担当者の名前を聞き出したり
名刺交換をしてこれるようになったものです。
ひょっとすると一番飛込み訪問が上手になったかもしれません。
自分で自分のことを「意志が強い」と言うくらいですから、
日ごろ努力していたのでしょう。
そういえば、深夜帰宅も多いのに、
毎朝6時に目覚ましが鳴ってから5秒以内に起床するそうです。
とても私には真似出来ません・・・
▼Tさん
素直で一生懸命な社員です。
とても筆まめで、飛び込みで出会った80人すべてのお客様に、
手紙やハガキを書きました。
送った手紙をファイリングしているので何枚か読ませてもらったのですが、
その1枚1枚が丁寧に書かれており、かなり手間がかかったはずです。
手紙を送ったお客様のうち、6人からメールで返信をいただいたそうです。
そのメールでは、東郷のことを非常に高く評価してくれているだけでなく、
お客様との間にリレーションができているのがはっきりとわかりました。
当然、その手紙が見込み客獲得のきっかけになったケースもあります。
▼Aさん
就職に当たって、単身沖縄から出てきました。
同期が皆見込み顧客を発掘する中、彼女はなかなか獲得できずにいて、
相当なプレッシャーを感じていたようです。
しかし5月26日の最終日、作戦を練った上であるお客様を訪問し、
見事見込み客を獲得してきました。
そのとき私は出張でいなかったのですが、
彼女は1時間ほど嬉し泣きしていたそうです。
ところが、週が開けた5月末に、更に2件見込み顧客を発掘しました。
歯を食いしばって努力していれば報われる、
そんな体験ができた彼女は大きく成長したことでしょう。
▼T君
ホントによく働く責任感のある社員です。
既に昨年秋からバイトで、IT人材の派遣・紹介営業を経験していました。
その仕事も抱えているため、業務量が同期よりもずっと多かったようです。
それにしても、彼はほぼ毎日1時半~2時ごろ日報を送信してくるのです。
京都出身の彼は、会社から徒歩20分程度の場所に賃貸を借りているので、
深夜でも歩いて帰宅できるとはいえ・・・・。
これは自分の仕事を目指す品質で全うしよう、
という責任感の表れだと思います。
■ 教えることは学ばせること
全員を紹介できないのが残念ですが、他の4人も本当に頑張ってくれました。
彼らへの教育で、常に要求していたことがあります。
それは、
自分たちで考え、工夫しろ
ということです。
もちろん、ヒントや視点、参考資料などはたくさん与えます。
基本的な考え方やスキルなどは教育研修も施します。
でも、同期全員が飛込み訪問を行うので、
例えば他の上手な人のやり方を大いに参考にすることができます。
どうもうまくいかないのであれば、どこが悪いのか考えればいいだけです。
それでもわからなければ、詳しそうな先輩社員に聞きに行けばよい。
期間内に成果を出すためには、納期2週前が大切になります。
だから、彼らにはその週は死に物狂いでやれ、と檄を飛ばしました。
それに応えて、彼らはその週に夜遅くまで残って準備をしていました。
その準備の仕方も、失敗経験を積み反省することで、的確になっていきます。
彼らは自宅でも、明日の作戦を考えたり、1日を振り返って反省したり、
まだうまくいかない飛び込みの練習などをしていました。
たぶん全員がこういう習慣を持てたはずです。
これはすべて、彼ら自身が学ぶ姿勢を持てたからできたことです。
私のような職業の者が言うのもナンですが、
ある仕事を成功させる、などという複雑で難しい事柄について、
人が人に何かを教えることなんてできるのでしょうか?
「教える。」
その言葉の裏側に、自分中心の傲慢さの臭いを少しだけ嗅いでしまうのです。
(簡単な知識などを教えるのは別ですが)
上司や私のような職業の者ができるとすれば、
ヒントを与えると共に学ぶように動機付けすることではないか
学ぶ環境を整えてあげることではないか
それでも解決策が浮かばないなら共に苦しむことではないか
と思うのです。
新入社員の成果は、彼ら自身で勝ち取ったものです。
彼ら自身が自分で学び、自分で努力した末のものですから。
了
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(文責:株式会社ジェイック 実戦型営業コンサルタント 林 丈司)
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